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がん診療推進委員会だより

がん診療推進委員会だより第05回(2012年05月)

「がん診療における放射線診断の役割」

今回は、「放射線科」についてお話しいたします。おそらく、放射線治療のイメージが強いかと思われますが、私達は放射線診断医です。実は、放射線治療医とは資格が異なっています。

他の傷病と同様、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)などの画像診断の役割は、がん診療においても年々大きくなっています。当病院は、外傷などで来院される患者さんも多いので、ケガの具合を調べるために撮影された写真から、偶然、がんを見つけだす事も時々あります。がんの精密検査では、大きさや転移の有無、血管の走行など、手術を行うときに重要な情報を引き出したり、化学療法を行うときには、過去の画像と比較して、薬の効果の有無を判断したり、あるいは治療の副作用や合併症の兆候を発見し、主治医に伝える事で、診療を円滑に行えるように支える役割を持っています。

また、IVR(侵襲的放射線療法)と言って、肝臓がんの病巣に近い動脈から高濃度の抗がん剤を注入したり、肝臓の切除される予定の血管を塞いで、術後に残る肝臓の一部を肥大させる手技を行う事でも、がん診療を支援しております。

当病院では、特に『肝切除手術における画像支援ナビゲーション』を行っております。肝臓には動脈、静脈、門脈と主要な血管が3種類走行しており、その位置を詳細に把握したり、肝臓のサイズを測ることで、切除するときの肝機能低下の危険度を予想したりする事に役立てられます。患者さんにとっては、造影剤を注射して行うCT撮影と変わらないのですが、舞台裏ではものすごく手間がかかるので、まだ、広く普及しているものではありません。

皆さんから撮影させていただいた画像を最大限に活用できるように、今後も努力を重ねていく所存です。


放射線科
医長  宜保 慎司